歴代トップ絵





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■ 21 代目 ■

チリも積もれば、万枚となる――アステカ。

コメント  初代マンクラと並んで、CT 機の双璧を成す当機。自分がアステカに初めて触れたのは、発売からやや経ってのことだった――しかし当時は、世間が騒ぐほど当機に対して魅力を感じていなかった。BIG の獲得枚数はせいぜい 300 枚強、なのに高設定はおろか、低設定ですら展開によっては万枚の可能性もある――という事実が、全くイメージできなかったからだ。
 ところが、学生時代も終焉に差し掛かってきたという時に、突然このデカチリに魅入られてしまった。3000 枚程度は一瞬で出てしまう出玉性能はもとより、DDT が正確であれば小役ハズレでリーチ目となる「右リールのデカチリ」。ゲチェナが大好きな自分にとって、この絶大なインパクトはたまらなかった。
 そして写真の出目は、知る人ぞ知る2確目。デカチリのインパクトも好みだが、これが出た瞬間の「違和感」もまた、衝撃的だった。


■ 22 代目 ■

ビタッと止まって、パンパカパーン――ウィンクル。

コメント  初の2号機として登場したウィンクルは、中段を除くラインで、ビタで絵柄がテンパイすればフラグ成立が確定という、単純でいて奥深いゲーム性を持っていた。それに加え、2号機に採用された「フルーツ」の突入契機をベル入賞に持たせることで、ゲーム性の幅がより広がっていた。
 ベル入賞の次ゲーム、打ち手の注目は筐体右の LED(インジケータ)へと向くことになる。これが光れば……見事、フルーツ突入。当時としては、斬新なハードではなかっただろうか。また、この LED は右リールの目押しにも利用できるという、画期的な存在だった。
 そして何より、個人的にこのウィンクルという台は、思い入れが深い。大阪に打ちに行けば、直前に閉店。箱根ヶ崎に行けば、自分の勘違いで打てなかった──が。そのことが、昭和名旧会の剣七会長とお会いできるきっかけになろうとは、当時は思いもしなかったのだ。


■ 23 代目 ■

漆黒の闇を照らす、光の魔法――ワードオブライツ。

コメント  アステカの瞬発力を抑える代わりにボーナス確率を上げ、フラッシュパターンを多彩にしてゲーム性の幅を広げたのがワードラである──と自身は理解しているが、これがどういうわけか、ボーナスも引けなければ、CT に関しては輪をかけてヒキ弱だった。ボーナス間 2000 ハマリ、設定6での負け──目を閉じれば走馬灯のように蘇る記憶は、全て苦いものばかりだ。
 個人的にはワードラの設置自体あまり見たことがなく、初打ちはゲーセンでのことだった。その BGM に即座に魅入られ、行ったこともない四ツ谷の設置店にまで足を運んだのはいいが、その苦労は報われることなく CT を引くことはできなかった。その後もいい体験をした記憶はなく、だからかあまり好きにはなれなかった。それでも打ち続けたのは、やはりあの BGM に惚れ込んだからだろうか──。


■ 24 代目 ■

ベル。それは果実畑への入り口――ベンハー。

コメント  兄弟機であるウィンクルとは、配列(絵柄は除く)やゲーム性、インジケータの存在については全く同じ。ボーナス確率にもほぼ違いはなく、フルーツ突入率のみベンハーの方が若干高いだけ。中段ライン以外でビタテンパイするとフラグ成立という単純なゲーム性は、ウィンクル同様ベンハーでも楽しめる。
 また、ゲーム性において外せないのがシングルであり、JAC ゲームが外れるとボーナス or ベルが確定する。ただの 15 枚に終わることなく、ただのシングル成立に対しても、打ち手は熱さを求めることができた。


■ 25 代目 ■

地図にない店、求めてどこまでも――スカイラブ。

コメント  5号機の完成形──その売り文句を目にした当初、誰もが苦笑したに違いない。実際、自身もその1人であり、さほど期待はしていなかった。確かに前作・超お父さんの出来はよかったが、そこまで豪語できるものかと首をかしげたものだ。
 当機のウリとしては、短周期抽選の RT をはじめ、出目演出、液晶演出、BIG 中の BGM 選択システム、そしてコスプレ……要するに、流行の「萌え」の要素も兼ね備えている、ということだった。しかし、それだけで5号機の完成系といえるのか、とは当然疑問に思うところ。肝心の出目が面白くなければ、所詮は一台の液晶機に過ぎないはずだった。
 しかし、周囲からの期待は、いい意味で裏切られた。4号機を彷彿とさせるようなリール配列、そしてリール制御。加えて、液晶演出も細かい面まで凝っており、さすがゲームメーカーだと感心させられた──が、それはあくまで出目演出が素晴らしいが故の印象。やはり、スロットは出目が肝心なのだと、改めて思い知らされた。


■ 26 代目 ■

城を目指して、サイコロ振って――キュロゴス。

コメント  タイムクロスと、ほぼ同等のスペックをひっさげた、山佐液晶機第2弾。「双六がモチーフ」という、一見変わった機種ではあるが、出目や液晶演出もしっかりと奥深さがあった。
 当時は、幾度と発生する演出に鬱陶しさを覚えた打ち手も少なくなかったようだが、出目や BIG の技術介入度に飽きを感じないのも、また事実だった。BIG 中の小役によるポイントで最終 JAC ゲームの演出が変わるのも、山佐の遊び心を感じさせる細かい演出だった。


■ 27 代目 ■

突然のスベリは、レモンの味――スーパーセブン。

コメント  ウィンクル、ベンハーと兄弟機――なのに、仕様が異なるのは大人の事情のため。フルーツの2段階抽選、ボーナスフラグ成立中のシングル抽選といった、ウィンクルのゲーム性の「キモ」が規定外となってしまったため、代わりにスーパーセブンには「レモン」という、酸っぱい存在がある。
 スーパーセブンが、ウィンクルやベンハーと最も異なる点。それはスベリ。何かしらのフラグ成立時は、後者はリールがビタ止まりするが、前者ではとにかくスベる。そして、ポイントとなるのがレモンの存在。中・右リールに1つしかないため、当然取りこぼす可能性がある――つまり、スベリに「酸っぱさ」を加えているのだ。リールが突然、大きくスベる時。それはボーナス成立か、はたまた──?


■ 28 代目 ■

遠く遥か彼方に輝く、MAX という名の銀河――M771。

コメント  BIG 一撃で最高 771 枚の獲得を可能にした、山佐には珍しい大量獲得機。故に、当然ボーナス確率も相当に低い。山佐伝統の形やマニアックなものなど、魅力的なリーチ目の豊富さとは裏腹に、激低のボーナス確率が出目演出の期待度を下げてしまっていることが、少し残念かもしれない。
 ただ、やはり一撃の破壊力は抜群で、高設定を掴んだ時の高揚感は何ともいえないものがあるだろう。加えて、希少なリーチ目やテトラ演出を幾度と見ることができるわけで、文字通り最高に楽しいに違いない。


■ 29 代目 ■

駱駝はひたすら歩く。大いなる好機を目指して――アラジン。

コメント  2006 年の時点でホールに健在だった2号機のうち、この初代アラジンだけは、遂にホールで打つことができなかった。最後に残っていたのは、愛媛県の朝日会館第二──森の中にあるのに、近くが海であるという神秘的な場所に、かくして「神秘的」と言い表すに相応しい台は最後まで健在だった。
 場所も分かっているのに、なぜ打ちに行けなかったか。それは、交通手段に問題があった。空港から近いため、関東には比較的容易に行ける。岡山にも2時間で出られるため、近畿、中国にも比較的行き易い──が、四国の端から端へは、どうしても車でしか行くことができない。その上、片道の移動だけで半日近くかかるとなると、運転があまりうまくない自分にとって、行動に移すことは難しかった。
 もう1つの要因としては、ホール以外で打った経験が既にあったというのもあっただろうか。単チェと駱駝がひたすら続く、元祖アラジンチャンス。自身初のアラチャンが、30 ゲーム程度で終わってしまったのも、今となってはいい思い出だ。


■ 30 代目 ■

うわああああ、とまらないよおおおお――マジカルハロウィン。

コメント  自分が、長きに渡って惚れ込む台というのは、決まって第一印象が「最高」か「最悪」のいずれかであり、この台の場合は後者であった。正直、萌え台はもう飽きた──最初は、見た目でそう判断したが、ボーナス5回ループという「魔界ゾーン」に興味を持ち、まずは打ってみることにした。
 緒戦の結果は、1度も AR が引けないという、いわば惨敗に終わった。しかし、この台の魅力は AR だけではない。ボーナスの合成確率が設定1でも 1/168 という、基本的にヒキ弱な自分にとってみれば、非常にありがたい存在だった。BIG 確率に至っては全設定共通であり、低設定でも BIG 連を引くことができれば、どうにかなるどころか夢すら見ることもできる仕様だ。
 獣王のような、ハードルは高いがハイリターンな強力 AT よりも、ある程度引けて、かつその後の展開で結果も大きく変わるという当機の AR は、楽しむにしても、夢を見るにしても、個人的には納得の仕様である。その上、出目でもある程度楽しむことができるので、未だに飽きずに打ち続けていられる、貴重な台である。