さて、小説を書いていると今までは「よそのページの小説を読む・そこにリンクする」
ということを繰り返していたのだが、この辺りから「小説サイトのサーチエンジン・リン
ク集を探す」ことをしはじめた。というのが、偶然「TAKO TAKO PAGE」の掲示板に、
あるリンク集のサイトのクリエイターが来ていて、それが一体どういうものなのかと見
てみたのである。結局、そこにはリンクしてはもらわなかったのだが、そこにリンクして
いた「MAGUROでGO!!」とリンクさせてもらい、また自作小説が豊富な「IMAGINATOR
(現・夜月宮)」を発見、リンクさせてもらった。特に「夜月宮」は、古風なものから戦略
ものまでおいているので、とても刺激になった。また、クリエイターの蘇芳さんが、自
分と同い年だというのも、親しみの沸く原因の1つとなった。早い話が、もっと視野を
広げようということだ。それに、YAHOO! を使うよりも、こちらの方が小説系サイトの
みを探すことができるので、効率がいい。
そんな中、ちょっとした事件が起きた。私に2番弟子ができるというのだ。弟子の
白夜さんの友人というのだが、それでも実感が沸かない。俺に2番弟子だと?
(弟子が……2人? いや、それより何の弟子だっけ……小説? 俺って小説なん
て書いてたっけ?)
実際、こんな感じだった。困惑というより、単純な「謎」である。こんな自分の弟子
になる人間が、1人ならまだしも2人もいるなんて。
「確かに誰かの弟子になるってのは度胸が必要ですよ。でも、師匠の文章を尊敬し
てるんで……」
2番弟子を承諾すると、メールで、そんなことが返ってきた。ますますもって分から
ない。もともとといえば、単なる暇つぶしだった。それが趣味のようになり、まあまが
りなりというか、形だけというか、投稿をするようにはなったが、ほぼ独学の私の文
章を尊敬すると言われても、頭がチンプンカンプンになる一方である。
しばらくして、今度は同じサガ愛好家にして大学の先輩でもあるふねさんから、
ちょっとしたサガのサイトを見つけたという情報が入った。その時、カウントはまだ4
という、正真正銘のできたてなのだが、サガシリーズで私の1番好きな、GB版Sa・
Ga2の情報が素晴らしいのだ。私が行った時でさえ、カウントはまだ10であった。
そのサイト「Rave
War」はサガだけでなく、リッジレーサー、自転車、中には円周
率というものまで特集している所なのだが、成長度は凄まじかった。そんなサイト
の管理人・ROTさんに、サイトができて初めてメールを出したのが私だというだけで
も、かなりの光栄である。
そして――それからまたさらにたつこと数日。私は久しぶりにりみさんの「TAKO
TAKO PAGE」の掲示板に顔を出した。そこには見慣れない人の書き込みがあった。
(サークル管理のホームページ……1人で作っているんじゃないのか?)
そこのホームページこそ、後々私の目標とする「Digital
Party」だった。
まず、何に驚いたか。
何のことはない。開設して3日足らずでカウンタが285を指していたのだ。
(……バケモノか?)
率直な感想が、まずそれだった。
結果的に、1ヶ月ほどでうちを追い越し、半年ほどで2万カウントをはじき出したの
だ。うちなぞ、1年で8000強だというのに。
……正直、一時期やる気をなくした(笑)。
まあ、その話はおいといて、とにかく掲示板から小説はもちろん、CG、MIDIとい
った、中にはソフトウェアまでもあるという、今まで私が出会ったことのない本格的
なサイトだった。その内容、成長度、そして技術力……ずっと見守ってきて(なんて
言えるほどではないのだが)、ここよりそれを上回る所はなかった。
そんなサークルの方の内の1人が、(先にも書いたように)うちの掲示板に、「ネッ
ト上で、自分の感想をもらったことがあるか?」と書いたことがあった。もちろんあっ
た。が、この答を単純に書くには惜しいと私は思ったのだ。
(俺は――その感想をもらうためにHPを開いたんだ。何か心外な質問だな。)
普通、いっぱしの小説家になって――そうでなくとも、何かのサークルを作ったり
して――、はじめて具体的な感想がもらえる。もちろん、友人や家族に聞いてもい
いのだが、大抵返ってくるのは、おせじか「興味ない」という、そっけない返事のど
ちらかである。つまり、実戦的な感想を求めて(いや、求めていたからこそ)、私は
HPを開いたのだ。
(プロになるまでもなく、全国の人から感想がもらえるんだ……それが、ネットの1
番の利点じゃないのか?)
もちろん、そうとは言い切れない。大抵は、情報を得たりするのが目標でネットを
利用する。しかし、サイト管理者としては、交友関係を広げるとか、そういった「対人
関係のこと」を目的としているに違いない。HPは、人に見て貰うために存在するの
だから。
まあ、結局の話、「感想はもらうのではなく、得るものだと思う」という感じのレス
をつけた(ような気がする……というのが、もう1年近く前のことだから……)。その
返事として、私の意見を肯定する文章が翌日にはあった。とりあえず、これは自分
だけの意見ではなかったらしい。わずかな安堵感と、妙な優越感を得て、私はまた、
新しいサイトを探しにネットサーフィンの旅に出た。
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