棟方君の家に行き、ねぶたの衣装を返してもらいました・・・
工藤:「明日ねぶたさ行ぐんだばって、去年貸した衣装返してけねが?」
(訳)「明日ねぶたに参加しようと思っているんだけど、去年貸した衣装返してちょうだい?」
棟方:「あ!わりわり。んだったな。こどし衣装買ったんだじゃ、わりわり」
(訳)「あ、ごめんごめん。そうだったね。今年衣装買ったんだったよ、ごめんごめん」
工藤:「んだんずな。せば明日一緒に跳ねね?」
(訳)「そうだったのか。それなら明日一緒にねぶたに参加しないか?」
棟方:「んだな。せば行ぐが!」
(訳)「そうだね。それなら行こうか!」
工藤:「せば、明日5時にエビナでまじあわせな」
(訳)「それじゃ、明日5時にエビナで待ち合わせしよう」
棟方:「わがった、ほがに誰がよばるんだが?」
(訳)「わかった、他に誰か呼ぶの?」
工藤:「適当に人あづめどぐ」
(訳)「適当に人集めておいておくよ!」
今日のポイント
単語
わり:「ごめん」標準語圏内でも通用すると思うが、津軽には他に以下の活用形があります
「わりわり」:ごめんごめん:お詫びの気持ちを強調するときに使われる
「わりしたな」:悪かったな:納得行かないときのお詫びの言葉
んだんずな:そうだったのか
(参考)津軽では代動詞「Do」に相当する言葉があります。
「ん」がそれに当たります。ちなみにLesson2で学習した「んだ」の派生語です。
他にも活用形があり、以下に並べますと
「んだ」:そうだね
「んだんだんだ」:そうそうそう(「んだ」の強調形)
「んだっきゃ」:そうだね(「んだ」の違いは協調のニュアンスが含まれる)
「んだんずな」:そうなのか?(驚きのニュアンスが含まれるREALLY?が近い)
コラム
JR青森駅のとなりに、「ラビナ」と言う駅ビルがあります。ところが「駅ビル」といっても改札を経由して直接中に入ることはできません、「ラビナ」に入るにはいったん駅を出なければいけません。そこで「駅」から「ラビナ」、「ラビナ」から「駅」へ行くには「エビナ」と呼ばれる所を通る必要があります。そこは、駅と駅ビルの間の小さな場所に過ぎないのですが、待ち合わせには便利な所です。ちなみに「エビナ」の名前の由来は「駅とラビナの間」=「えきとらびなの間」で「エビナ」です。