私は、スロットという遊技機が好きです。
ギャンブルの道具として──よりも、ただ3本のリールが回るマシンが、「遊技機」として好きです。 スロットなんて、所詮はギャンブル。お金を稼いでナンボのもの。たくさんのコインを出してこそ面白いし、負けてしまうとつまらない。そう考える人もいるでしょうし、当然それが多数派であると、私自身思っています。
しかし、私はスロットでお金を得るよりも、「違和感を楽しむ」ことに快感を得る打ち手です。
スロットとは、違和感を楽しむゲームだ──かつて、ある知人がそう言いました。
光るはずのないランプが、光る。
鳴るはずのない音が、鳴る。
起こるはずのない演出が、液晶で起こる。
今や液晶搭載は当たり前。光と音が奏でる、新しいゲーム性を兼ね備えた回胴機から感じることができる「違和感」には、多彩なものがあります。
しかし──スロットの主役は、あくまで3本のリール。
止まるはずのない場所で、リールが止まる。
ただちに停止するはずのリールが、スベる。
リール制御は、筺体からのメッセージ。もちろんそれは、時には光であったり、音であったり。テトラリールやドット、液晶といった、メインリール以外で表わされたり、またリール制御との複合演出であったりもします。
液晶演出も悪くはない。中毒性のある告知音に身を焦がすのも、たまにはいい。
それでも。私はやっぱり、リーチ目が1番好きなのです。
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