(3/4) ホールデビュー


昔は真面目な方でしたが、どこかがズレていました(今も?)。
以前から「18 歳の誕生日にホールデビューする」と堅く誓っていたのですが……。
それをわざわざ両親に打ち明けて、厳しく反対されて、それを律儀に守ってました(笑)
結局、ホールデビューを果たしたのは高卒直後。まあ、無難なところですね。
実家から近い、幼少の頃から見てきたホールに足を踏み入れ、そしてスロットを発見する。
この瞬間の記憶は鮮明に残っていますが、我ながら妙な点がありました。
それは、スロットのレバーを見て、その短さに驚いたことです。
ゲーセンで初めてスロットを見た頃は0号機時代の末期で、右レバーのものをよく見た気がします。
それも、カジノに置いてあるような、柄の長いレバーのスロット筺体でした。
文字通りべガス型と呼ばれる筺体なのですが、なぜ当時の記憶が強く残っていたのか?
それ以降に、箱型筺体のアメリカーナ7X などを打っていたはずなのに、改めて驚きました。
そして、それは別として、もう1つ素直に驚いたことがあります。
あるシマの角で打っていた人の持ち玉。下皿に加えて、頭上の箱にも少し入っていたメダル。
推定「僅か」600 枚程度のメダルでしたが、当時の自分にとっては、それはあまりにも衝撃的だった。
それまでは 30 枚すら大量と思っていたメダル。その 20 倍もあろうメダルが、目の前にあった。
それも、ここは「パチンコ屋」。換金できるんだ──これが一体、いくらになるものか?
恐らく、誰しもが体験したことのある皮算用。自分もまた、例外ではありませんでした。
そして、意を決して打ち始める。なけなしの 2000 円を投資して、それが5分足らずで消えた。
 
 (…………は?)
 
最初の 1000 円は、小役1回とリプレイが1回揃っただけで消えた。
残りの 1000 円は、同じく小役1回とリプレイが1回揃っただけで、消えた。
 
 (…………はぁ?)
 
もっとこう、何度も小役が揃ったりするのを想像していたのに──
人生初の実戦は、あまりにも短い時間で終了したのでした。収支は、-2000 円。
この時打った機種が何だったのかは、未だ思い出すことができていません。
ただ覚えているのは、「7枚役のある4号機」であること。
そして、恐らくは裏返っていた、ということ(苦笑)
後で知ったのですが、当時のこの店は、裏モノを置いていたようです。
時期的に、どの店にもありそうなものですが、ともかく裏モノの可能性が高い。
今考えると、初戦の相手としては、あまりにも酷でした。
しかし、そう考えると勝たなくてよかった。初戦黒星は幸いでした。
あっという間に貴重なお金を失った自分は、中高生のたまり場だった駄菓子屋に行って、
 
 「お前ら、スロットは絶対打つなよ。金があっという間に消えるぞ!」
 
と、後輩達にまくし立てたのでした。
逆の可能性もありましたが、そんなことはまるで頭になかった。
1000 円単位の金が、一瞬にして消える。このことが、自分にとって1番の衝撃でした。




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