(4/4) 初勝利、そして


ホールでの初勝利は、ホールでの初ボーナスを引いた時。
その時既に、ホールデビューから丸5年が経過していました(笑)
というのも、当初はホールデビュー敗戦直後に見た、パチンコの方にハマっていたのです。
(パチンコにハマった理由については、第3回のコラムで書こうと思います)
それまでは、年に数回程度しか打っていなかったスロット。
興味の対象がスロットに変わったきっかけは、大学の先輩と一緒に打ったことでした。
 
 「近くに、大花火か、ゲッターマウスがある店ってない?」
 
自分の下宿先に泊まりに来た先輩が、翌朝、そう訊いてきました。
当時の下宿先は、徒歩 30 秒の場所にホールがあり、そこにゲッタマがありました。
他にはクランキーコンドル(2回交換)、ウルトラマン倶楽部など。ちなみに等価でした。
今思えば優良店だった。新装時の並びも 10 人程度。いい環境にいたんだなあ……。
しかし、当時はそのような技術介入機を打てる技術もなければ、知識もなかった。
何よりリプレイハズシの概念すら知らなかった。その程度の興味でしかありませんでした。
その状態で、先輩と並んでゲッタマを打ち始めた自分。
最初の 1000 円が消えるも、先輩から 15 枚程度のメダルをもらいました。
そして、そのもらったメダルで、実戦での初 BIG を引くことができた。
この時は、不思議と感動は薄かった。「狙うと揃った」くらいしか感じていませんでした。
続いて人生初 REG も引いて、しばらく回して終了。この時の収支は +5500 円でした。

実戦終了後は、-14000 円で負けた先輩に昼食をご馳走するという「暴挙」に出ました(笑)
……今、こうして思い返してみると。先輩はさぞ複雑な思いだったのでしょう。
実際、そのようなことを話してました。しかし自分としては、彼は初勝利に導いてくれた方です。
自分は勝ったのだから、おもてなしをするべきだ。そう信じて疑いませんでした。
スロットを打ったことのない人(ギャンブルをしない人)には、分かりにくい話かもしれません。
スロットに馴染みのある人間にとって、当時の収支は「負けなかった」程度のものです。
勝って奢るというよりは、次回の軍資金の足しにする。イメージとしては、こんな感じ。
(自分は興味ありませんが、宝くじを買うのも、似たようなものだそうです)
既にヘビーユーザーだった先輩にとって見れば、屈辱に近かったのかもしれませんね。
せっかくなら、自分も勝って、後輩に奢ってやりたかった──
今の自分が先輩の立場にいたならば、そう思ったことでしょう。

この初勝利を皮切りに、スロットに対する興味は次第に強くなっていきました。
それでも、実戦ペースはまだ数ヶ月に1度と、急にハマり込むほどではなかった。
やがて夏休みに入り、地元の友達とゲーセンで遊び、ホールデビューのホールで負け──
ある程度1人で打って、疑問を持つようになって、雑誌を買って調べ始めて。
夢中になって打つようになったのは、それから後のことでした。

しかし、初勝利戦を終えた直後に先輩が言った、
 
 「また、いい目でヤメるなぁ〜」
 「何もテンパイしていない、バラけ目ってのはいい出目なんだよ」
 
この言葉の意味が分かるまでには、まだまだ時間を要しました。
スロットの命は、出目。このことを理解し、納得することは、とても難しいことなのでした。


第2回へ続く。




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