(2/4) 祝・初ボーナス


初めてボーナスを引いたのは、高2の時のこと。
同じ部活の友達2人と後輩1人で、学校から近いデパートに行った時のことでした。
当時はあまりメダルゲームで遊ぶことはなかったのですが、興味は尽きていませんでした。
昔はよく向かったメダルゲームコーナーへ1人で行くと、そこには1シマのスロットが。
これもよく覚えてませんが、クレジットはなし、パネルの色は赤黄色──
まず間違いなく、1.5 号機のファイアバード7U、だったのだと思います。
お金を使ってまで、特に打とうとは思わなかった。けど、打っていた。
となると、足元にメダルが落ちていたから、それを入れたのか? よく覚えていません。
しかし、とにかく1枚掛けで回したのです。そして、間近でリールを凝視する自分。
当時のリール絵柄は、ボーナスも小役も大きさは同じでした。
けど、間近で見ると、7だけは区別できた。絵柄の両端に、赤い線が走って見えました。
それを目安に押してみる。左、中と停止。ここまでは、今まで何度か経験があった。
そして、揃わないと思っていながら、残り1つの7も一応狙ってみた。
すると。目の前には、止まるはずのない絵柄が止まっていました。
つまりは7。即ち、スリーセブンの完成。15 枚が払い出され、筺体上部が光ってました。
この時、ファンファーレは鳴っていませんでした。音量は切られていたのでしょうか。
とにかく、この時。自分の中で、常識が崩れ落ちたのです。7は揃わないもの、という常識が。
7を狙っても、いつも右で弾かれる。「こういうものか」という受け入れは早かった。
しかし、いつか本当に7が揃うことがあるなどとは、夢にも思っていなかった。
人生初ボーナスを引いた自分は──配当の 15 枚を持って、その場を去ったのでした(笑)
もしも、あの小6の修学旅行の時に、教頭がボーナスを付けてくれていたなら。
7か BAR を揃えた後に始まる、ボーナスゲームの概念を知ることができていたのかも。
それを知らずに当時の自分は、達成感すら持って、それを放棄したのです。
……ほら、そこ! プギャーとか言わない! 本当に知らなかったんだってば!
 
今思えば、せめてファンファーレが鳴っていたならば。
当時のユニバ系の BIG 入賞ファンファーレは、メダルを入れるまで鳴り止まなかった。
どうにかしようとメダルを(多分1枚だけ)入れて、もったいないからと回していたかも。
そうすると、小役が不思議と揃い続ける現象に気付いていたはず。
更には3回のボーナスゲームを迎え、15 枚あったメダルが 360 枚程度に──
ただ、それを当時に味わってしまっていたら、中毒になっていたのかもしれない。
もっとも、ロクに金を持っていなかったので、ホールに行くまでには至らなかった?
もし行って、間違って勝ってしまっていたならば……間違いなく、人生は狂っていた。
話を戻して、ともかく自分の初ボーナスは「放棄」という形で幕を閉じました(笑)
 
ちなみにこの話には、続きがあって──
一緒にいた同級生と後輩の3人が、やがてスロットのシマにやってきました。
そして、どういうわけか7が揃っている台を見つけて、回し始めたのです。
すると、「どういうわけか」小役が揃いまくるという現象が。
3人は「おー、すげー!」と言いながら、払い出される度にメダルを分けてました。
それを横目に自分が、
 
 「それ、俺が7を揃えたんだぞ」
 
と、誇らしげに言っても、
 
 「へぇ〜(笑)」
 
と、軽く返されるだけでした(笑)
いや、ホントに「かっこわらい」だよなあ。「かっこわるい」のかもしれないな。
現に、メダルが払い出され続ける様子を見て、自分はもう1度7を揃えようと躍起になった。
その結果、1度は持ち去った 15 枚を使い果たしてしまった。かっこ悪い!
しかし、それでも大して悔しくなかった。それだけ、初 BIG の衝撃が大きかった。
そんな記憶しか残っていませんが……おい、本当にそうだったのか!?




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