医師の前で測ると血圧が上がる!?
 血圧はとてもデリケート。ちょっとしたことで上がったり下がったりします。朝と午後といった時間帯でも違いますし、くしゃみや咳をしただけでも血圧は一時的に上がります。また、運動も血圧を上げます。これは、運動により体がいつもよりたくさんの酸素や栄養を必要とするので、心臓ポンプが頑張って収縮・拡張の回数を多くしたり、一度に送り出す血液量を増やすためです。  塩分の取りすぎも高血圧を招きます。塩分を過剰摂取すると、塩分の中のナトリウムが血液中の水分を引きつけるため、心臓がいつもよりたくさんの血液を体に送り込みます。さらに、送り込まれたナトリウムと水分が末梢血管の壁の細胞に入り込み、血管をむくませて血流の抵抗を増やすため、これまた血圧は上がってしまうというわけです。  また、肥満になると血液中にインスリンというホルモンが過剰になり、ナトリウムを排泄する力が低下して、血圧を上げます。  さらに、「自分の家で測ると正常なのに、病院で測ると血圧が高くなる」という人がいたら、「白衣性高血圧」と考えられます。人間は緊張すると交感神経系の活動が高まり、それによって心臓と末梢血管の収縮が強くなり、血圧が高くなります。病院で測定するときは、深呼吸をし落ち着いた状態で測るとよいかもしれません。

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