Encounter with Destiny

      〜 ネットでの出会い、そしてその出会いに至るまで 〜

 
   Romansing SaGa2。
   通称「ロマサガ2」といわれ、フリーシナリオRPGとして名作と謳われたゲームである。
   そしてこれこそが、私のネット生活の始まりであり、きっかけでもあった。
 
   ロマサガ2発売当時のプレイでは、私はこのゲームを、単なるRPGとしか見ていなか
  った。つまり、1stプレイでは普通にプレイし、クリアして、ただそれだけで終わった。
   それから4年。大学に入学し、1人暮らしを始めた私は無性にロマサガ2をやりたくな
  った。だが、それは実家に置いてあったので、実行に移すことはなかった。
   そして、さらに1年が過ぎた。ロマサガ2の、独特であり最大のウリのシステム――
  「技の閃き」の楽しさが忘れられず、遂に実家に帰る際に、ソフトを持ち出した。そして、
  久々にプレイする――が、いかんせん、今となっては古いゲームである。イベントでつま
  ったりしても雑誌なんかには載っているわけはないし、何より自分自身もあまり覚えてい
  ない。結局、奇跡的に売っていた攻略本を買って(私は基本的に攻略本は買わない。今
  まで買ったのは、ファミコン時代のスーパーマリオ1、それから10年振りの購入となった
  伝説のオウガバトル、そしてFF7の、計4冊である)プレイしてみた。が、
  「何じゃ、こりゃ?」
   それには、今まで全く知ることのなかったことがズラズラと書かれてあった。それを知る
  ためにリプレイを試みたわけであるのだが、サガ・プレイヤーとして、それは嬉しくもあり、
  また悔しくもあった。幸い、身近にそれに精通している友人がいたので、色々話したりし
  て数年振りのリプレイを楽しんだ。
   そして、そんなある日。
   彼もまた、別のゲームをプレイしていたのだが、それについての情報を得るのに、ある
  ものを利用していたのである。
   そう……それこそが、インターネットであった。
   中2の頃からパソコンを使い始め、パソコンの師とも呼べる塾の先生から、インターネッ
  トのことについては、結構前から聞いたことはあった。そして、大学に入って1人暮らしを
  するようになったら、真っ先にインターネットをするんだと、受験勉強をしていたものだ。
   だが、結局は大学での勉強、そして部活動に追われ、自由な時間を取ることがなかな
  かできず、次第に高校時代以上に忙しくなってきた私は、インターネットどころかパソコン
  に触ることすらなかなかできなくなっていた。
   しかし、それでもいつかは「きっかけ」を掴まなければならない。私は友人に言われる通
  りに、検索ワードに「サガ」と入力し、そして初めて、サイトを見たのだ。
   そう。「初めて」である。パソコンを多少使い慣れた程度で、パソコンについて博識ぶっ
  ていた私は、この時初めて、自分を再確認した。そう。今ようやく、インターネットというも
  のに触れたのである。
   恥ずかしいような、悔しいような感情を抑え、私はロマサガ2に関するサイトを探した。
  そして、行き着いたのが、現在でもお世話になっている「Moon Light Anthen」の掲示板
  である、「SaGa Box」であった。
   初めて、インターネットでの「掲示板」というものを目の当たりにして、私は正直、驚愕し
  た。そこらの攻略本なんかよりも、よりよい情報が掲載されていることについてはもちろん、
  それを利用している人達について、である。色々な性格の人が、色々な書式を持つ人が、
  色々なことを考えている人がいる。古くからの常連や、私のような新人が。素朴な疑問を
  持つ人がいれば、どんな問題にも明確に答えられる人もいた。
   それから私は、暇があればパソコンに触れ、インターネットをするようになった。試験週間
  なので部活もなく、空き時間も多かったので十分にインターネットを堪能することができた。
   だが、しばらくして試験が終わると、大学の方も休園するようになり、インターネットがで
  きなくなってしまった。そこで私は、かつてからの目標であり、夢であった自宅でのインタ
  ーネットを開始しようと、試験最終日、そう友人に告げて私は大学を後にした。
   パソコンは、既に自宅においてあった。後はプロバイダと契約することだが、私は生憎と
  クレジットカードを持っていないため、当初考えていたプロバイダと契約することはできなか
  った。クレジットカードを作ろうとも考えたが、どうにも面倒だし、何より私は、そういうカー
  ドを持つのが恐いし、嫌だった。そうこう考えているうちに時は流れ、自由な時間が過ぎ
  去っていった。
   そして、ある日私は「YAHOO! JAPAN」の雑誌を購入し、付属のCDでカード不要のプ
  ロバイダ・interQと契約し、遂に自宅でのインターネットを実現した。interQはHP、メール
  も無料だし、何よりHP容量が10MB(現在は20MB)と多めで自分にとっては好都合だ
  った。なぜなら、HPを公開するとなると、メインは大学1年から書き始めた小説の掲載が
  主になるだろうと思ったからだ。そうでなくとも、活字ページとしては容量が多いほどあり
  がたいものである。それから私はHP制作に夢中になった。が、いつまでたってもプロバイ
  ダ側から、アカウントとパスワードの取得連絡が来ない。その間私は、「Saga Box」以外
  のサイトを探して、HPの作り方の例を見てみることにした。
 
 
 


 
 
  次のページへ
 
  小説の目次に戻る
 
 
 
TOPに戻る