最近増えている脱毛危惧症

髪の毛を洗っているときや、朝自分の枕を見て、「髪の毛がドッサリ抜けている!」とドッキリ。以来、少しでも抜け毛を見つけると、「親父もハゲてるし、兄貴も髪の毛がうすいし、ひょっとしたら俺もハゲるのでは」と心配になり、果ては1日じゅう頭の中から”髪の毛”のことが離れず、仕事にも身が入らず・・・。最近、こんな訴えをして来院する人がとても増えています。こういう人はたいてい自分の抜けた毛を持参して「先生、こんなに抜けたんです」と見せます。ところが検査をしてみると、脱毛症でも禿髪症(とくはつしょう:ハゲの医学的名称)でも、また疎毛(そもう:髪の毛が少ないこと)でもなく、全くのふつう。要は単なる思い過ごしケースが大半。これを「脱毛危惧症」といいます。こうした人には脱毛の治療というよりもカウンセリングなどの精神的な治療が適しています。必要に応じて、精神安定剤が処方されることもあります。

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