「肥満」の基準が変わった?自分の肥満度を再チェック!

女性では40代以降の人に「肥満」が多い

あなたは自分が「肥満」だと思いますか?「自分は大丈夫」と思っている人もちょっと注意。何しろ、男性では20代の4人に1人、30代では2.5人に1人が、「肥満」か「過体重」という結果が出ているのです。一方、女性では40代以降の人に「肥満」あるいは「過体重」が多くなります。(厚生省「国民栄養調査」平成10年)
肥満は見た目にあまりよろしくない、つまり美容上”カッコ悪い”だけではありません。健康にとってけっしてよいとはいえないのです。例えば肥満の人は、そうでない人に比べ、国民病といわれる糖尿病が約5倍、脳卒中や心臓病の要因となる高血圧症は3.5倍、心臓病約2倍、胆石症約3倍、痛風約2.5倍、リスクが高くなるといわれています。また、卵巣がんや乳がん、大腸がん、前立腺がんなどのがんが発症しやすいことも知られています。
このように、肥満はいろいろな病気、とりわけ生活習慣病を引き起こす原因となります。言い換えれば、生活習慣病の予防には、肥満解消は欠かせません。

BMI22の人がいちばん病気になりにくい

やせているか太っているかを知る方法として広く用いられているのがBMI(ボディ・マス・インデックス)という方式で、次のようにして求められます。
BMI=体重(kg)÷〔(身長(m))×(身長(m))〕
例えば、体重が75kg、身長が1.7mの人では、75÷〔(1.7)×(1.7)〕=25.95
これまでの疫学的調査で、BMIが22のとき最も病気が少なく、それ以上でも、あるいはそれ以下でも病気が増えていることがわかっています。したがって、肥満はもちろんですが、「やせ」でも健康的とはいえません。ちなみに、20代女性では「やせ」と判定される人が44%を占めています(厚生省「国民栄養調査」平成10年)。
また、BMI=22が理想体重と考えられるところから、次のようにして、理想体重(標準体重)を算出することができます。
理想体重(標準体重)=(身長(m))×(身長(m))×22

新基準ではBMI25以上で肥満に

すでに自分のBMIを出して、「自分はBMIが25だから太り気味かもしれないけれども、肥満じゃないよ」と思っていた人には少々ショックなお知らせがあります。実は、これまでBMIの+10%以上(BMI24.2以上〜26.4未満)を太り気味(過体重)、+20%(BMI26.4)以上を太りすぎ(肥満)とされてきました。しかし、標準体重であるBMI22に比べ、BMI25では病気を引き起こす危険度が約2倍に跳ね上がること、BMI25を超えると一段と高血圧や高脂血症などの病気が増えることなどがわかり、平成11年11月に開かれた日本肥満学会で肥満と判定するラインを従来の26.4から25に引き下げることになりました。したがって、BMIが25で「太り気味」と判定されていた人は、新しい基準では「肥満」となります。
また、新基準では肥満の程度により、1〜4度に分類されることになりました。

ウエストのサイズにも要注意

ここでぜひ覚えておいてほしいのが、BMIだけで肥満の判定をするのは困難だということ。そもそも肥満とは体脂肪が過剰に蓄積した状態をいい、単に体重が多いことをさすのではないのです。したがって、体重が多くても骨や筋肉がしっかりしている人は、体脂肪が少ないので真の肥満ではありません。
実際、肥満と病気の関連を調べてみると、BMIだけでなく、どこに体脂肪がたまっているかが大きく健康に影響することがわかってきました。ではどこに体脂肪が蓄積されると病気になりやすいかというと、おなかのまわりに脂肪が増えている上半身肥満(りんご型肥満)の場合です。BMI25以上で、男性のウエスト周囲85cm以上、女性のウエスト周囲90cm以上の人は上半身肥満の疑いがあるといえます。
生活習慣病を予防するためには、普通体重の範囲に保っておくことがいちばんです。
そのためにも、適度な運動、適正な食事を心がけましょう。

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