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コラーゲンって美容だけでなく、骨にもいいの?
はい、コラーゲンは骨や関節を若返らせて骨粗鬆症や関節痛を防ぐ効果が大きいです。
コラーゲンは重要な骨・関節の構成成分
骨はカルシウムでできていると思われがちですが、実はコラーゲンも欠かすことのできない重要な構成成分の1つです。

骨の成分の約80%はカルシウム、リンなどの無機質です。残りの20%は有機質で、そのうちの90%は、コラーゲンです。

コラーゲンは繊維状のタンパク質で、繊維と繊維の間に、「架橋(かきょう)」と呼ばれる橋をかけて、互いに結びつく性質があります。骨はコラーゲンの架橋を作ることで繊維の網の目のように張り巡らし、その間にカルシウムやリンを沈着させています。

こうした骨の構造は鉄筋コンクリートの建物に例えると分かりやすいでしょう。鉄筋の骨組みにあたるのがコラーゲンで、カルシウムやリンは、壁のコンクリート部分にあたります。コンクリートに相当するカルシウムやリンが充分でも骨組みのコラーゲンが不足すると、建物はもろく壊れやすくなります。

さらに、骨は太ければ丈夫とは単純に言い切れないのです。丈夫で固いうえに、しなやかさがあり柔軟であればこそ、さまざまな動きや加えられる力に耐えることができ、骨の役目が果たせるのです。この骨に柔軟性を持たせ、しなやかに保つのも、コラーゲンです。コラーゲンの繊維状の形状が、骨に弾力をもたらすうえで、大いに役立っているのです。

またコラーゲンは関節でも大きな役割を果たしています。関節は軟骨で覆われ、軟骨は硬い骨と骨がぶつかる衝撃を和らげるクッションの役割を果たしています。この軟骨の50%はコラーゲンで形成されているのです。

古いコラーゲンが骨や関節の敵
このように、丈夫でしなやかな骨や関節を作っているコラーゲンは、アミノ酸を材料にして体内で合成されます。古いコラーゲンは分解され、それに替わる新しいコラーゲンが作られて、常に新陳代謝(新旧物質の入れ替わり)を繰り返しているのです。

ところが、このコラーゲンの新陳代謝も、17〜18歳をピークに急激に衰えていきます。年齢を重ねると、新しく作られるコラーゲンが減少し、古くなったコラーゲンが分解されないまま残るようになります。骨や関節の老化は、この古いコラーゲンが増えることで引き起こされます。

このように老化したコラーゲンが多くなると、やがて本来の架橋とは異なった、老化した架橋を作り出します。老化した架橋はカルシウムが吸着する隙間もないほどびっしりと固く結びつき、その結果、カルシウムやリンが不足して骨がもろくなってしまいます。

こうして骨の組織からカルシウムが欠落し、骨がスカスカになるのが骨粗鬆症です。

このような状態では、加えられる力に抵抗できなくなり、骨が曲がったり、折れやすくなったりましす。そればかりか、骨粗鬆症でも最も多い太股の付け根の骨折で、寝たきりになり、ボケにつながる可能性も高くなります。

また、固く老化したコラーゲンが多くなることで、関節にある軟骨の柔軟性や弾力性も失われ、しだいにすり減って、つぶれてしまいます。つぶれた軟骨のコラーゲンはブヨブヨとした水のようになります。これが「関節に水がたまった」といわれる状態です。

軟骨がつぶれてしまうと、骨と骨が直接ぶつかり、関節の摩擦が強くなります。そのため、すれ合った骨が変形して、以上に大きくなったりトゲが生えたようになり、痛みを伴う変形性関節症引き起こす場合もあります。

実験で関節痛に抜群に効くと実証
このように、コラーゲンの新陳代謝の定価によって生じる骨や関節の症状は、コラーゲンを補うことで予防することも、改善することもできます。コラーゲンを積極的に食事から取り入れられれば、コラーゲンの新陳代謝は促進され、骨や関節を強化することができるのです。

実際にコラーゲンをとることで関節の痛みが和らいだという、チェコ共和国のリウマチ研究所の報告をご紹介いたしましょう。

研究所では、股関節やひざ関節などに痛みのある104名を対象に、次の2つのグループに分けて比較しました。

(1)コラーゲンを水に溶かしたものを1日10g飲んでもらうグループ
(2)コラーゲンではない普通のタンパク質である卵の白身の部分を1日10g飲んでもらうグループ

そして10日後、「日中の痛みや硬直」「運動した後の痛み」「夜間の痛み」「手足の先の痛み」など13項目について、コラーゲンとコラーゲン以外のタンパク質である卵の白身を飲むことにより、どのように改善されたかを調べました。

その結果、コラーゲンを飲んだ(1)のグループでは、痛みが50%以上減少したという人が一番多く、25名いました。ついで、痛みが25〜50%減少したという人が17名、痛みが0〜25%減少したという人が10名の順となります。

これに比べて、卵の白身を飲んだグループでは、25%以上痛みが改善された人は12名に過ぎませんでした。

このことから、コラーゲンは関節の痛みを緩和する効果がめざましいことが明らかになりました。すなわち、コラーゲンをとると体内で新しいコラーゲンの合成が促され、老化による関節の痛みを和らげると考えられます。

体を支える骨は、骨の中心部の髄で血液をつくる役目も担っています。

血液は細胞に酸素や栄養を供給しています。ところが、コラーゲンの新陳代謝が衰え、骨の機能が低下すると、血液の質や血液循環も悪くなってしまいます。すると酸素や栄養素が充分に細胞に行き渡らなくなり、細胞の働きは低下して、組織全体にダメージを与えます。

つまり、骨の老化が全身の老化を招くことになるのです。

旧漢字では、「体」という字は「體」と書きます。「体は豊かな骨が作る」ということを意味しているのでしょう。

美容のためだけでなく、丈夫で若い骨や関節を作るためにも積極的にコラーゲンの補給を心がけてください。

 
 
 
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