沖田 総司房良

(1844〜1868)




≪ a genius ≫


暗闇の中を 散ったひとひらの花びらがどこまでもどこまでも漂っている
それは遠い宇宙の闇の中なのか、深い地の果てなのか・・・
ただ生き生きと赤く、永遠に枯れることのない花びらであり、
永遠に消えることのない青春の魂なのである

…沖田総司、剣ひと筋に生きた・・・いえ、
生きたかったであろう、ひとりの天才
新しい世を必要とすることはなかった
剣のために死ぬことさえ出来たのであったなら


(六月十四日、東京・専称寺、墓前)



六本木、今日も雨・・・
総司を供養する日はいつも雨が降る
屈託のない明るさと無邪気さは
人一倍の寂しさの裏返し
だから心は今も泣いている
こんな東京のど真ん中でひとりぼっち・・・


総司、安らかであれ、
今日もこんなに多くの人が君を想っているのだから






小雨の中、真っ赤なポルシェが走り抜けていった
ふと、総司の幻影を見た








「幻夢粋譚」の中では数曲、フレデリック・F・ショパン(1810〜1849)の
ピアノ曲を挿入してみました。それぞれイメージ曲として
選んだものですが、不思議と国の違いはあれ、
ほぼ同年代を生きた作曲家のためか、通じるものを感じました。
ショパンは天才です。そしてやはり肺結核で世を去りました。
この病気は、肺を巣食うばかりか天才というものが好物のようです。

文学の上では、私の愛してやまない立原道造、梶井基次郎、他多くの
若くて優秀な頭脳を連れ去ってしまったのです。




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