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The best Books

今まで読んできた中のいい本の紹介です。いずれもいい本ですのでぜひに。専門は数学専攻の人にお勧めです。理論を勉強するよりさっさと使えるようになりたいって人には不向きです。

専門と書いてあるもの以外は、普通の読み物で、かなり面白かったものなのでぜひ、数学(または物理)と無縁の方にも(というより、数学と無縁の方にこそ)読んでいただきたいと思います。

Math(専門)

「解析概論」 高木貞治 岩波書店
解析の教科書っていったらやっぱりこれっきゃないです。ほとんど何もかも載ってるというような印象です。証明の簡明さには笑いが止まりません。興味ある例が非常に豊富なのもGOODです。
「線形代数入門」 斎藤正彦 東京大学出版会
いやな計算をさせる教科書もありますが、理論重視で(数学の本だからあたりまえだけど)線形代数の綺麗さが分かる一冊です。
「位相空間論」ケリー 吉岡書店
さらりと書いてある分、頭を使うので、イメージが容易になりました。問題もなにかの理論を小問で導くという形式です。定義とかは出てくるたびに述べてくれるので前に戻ったりすることがなかったのは非常に親切だと感じました。ただ、残念なのは、記号が古かったりミスプリが多かったことです。でも、センスを培うにはイチオシの本です。
「代数学」松村英之 朝倉書店
代数で有名な先生だそうです。内容は講義式で、読んでる分では解析概論のような雰囲気です。なかなかいいですねぇ。前書きに書いてあるとおり、始めの方は丁寧に書いてありますが、次第に自分で説明を与える部分が多くなっていきます。

自然科学

新潮文庫 カオス ジェ−ムズ・グリック 新潮社  
かなり面白いです。安いですし。文庫だから。カオスを創っていった人々のドキュメント。訳がまた名訳なんですっ。
小学館文庫 カオスの紡ぐ夢の中で 金子邦彦 小学館
エッセイ、小説などなど。SF小説はかなりおもしろいです。普通の読み物的ですから、ぜひ。でも書いた人はカオス研究の有名な人です。
「数学の宇宙-アルファベット順の旅」 W.ダンハム 代数学社
数学の楽しさを知ってもらおうと大学教授の書いた本。数学を専門にしていない人に訳をお願いしたのが、またいい。分かりやすく訳されています。(図形が苦手な私はちょっとしか楽しめませんでしたが…。)
朝永振一郎著作集8 量子力学的世界像 みすず書房
ノーベル物理学賞受賞の朝永博士の著作。一番初めにある「光子の裁判」がもうおもしろいっ!!!堅いところなく、生き生きとしている。そこらへんの小説よりも格が違います。といっても、難しいわけではなく、文系の方でも無理なくすらすらと読めるはず。40pぐらいなのに、分けることのできない光子(光の粒。不正確だが)が異なる窓を同時に通るか否かの仮想的な裁判の様子。
「相対性理論」 アインシュタイン 内山龍雄訳・解説 岩波文庫
アインシュタイン第一論文の訳と解説です。解説は相対性理論で有名な先生が中学生ぐらいの数式で原論文を展開してます。原論文についている訳者注のおかげでちゃんと読めてます。訳も名訳です。高校の物理を知っている人なら読めると思います。
「自然の驚異」 V・F・ワイスコップ 河出書房
物理学の大観を書いた本です。そうだったのか!と思うところが多いです。専門以外の人に向けて書いたもので数式は見当たりません。物理にちょっと興味がある程度でも十分に読めると思いますので、ぜひ。お勧めの一冊
「数学-その形式と機能」 S,.マックレーン 森北出版
非常に待望されていた書。「このような書物の出現を望んでいたが、その期待は決してみたされないと思っていた」と言わせるほど。多様な数学な多方面の関連と発生、導入過程、ならびに数学とは何か?を考えさせられる本。とても、厚い本だから自分の興味ある部分だけ、あるいは序章と結論だけ読んでも面白いと思う。お勧めは、p120「幾何学は科学であるか?」p1序章、p153「虚数は現実のものか?」p332「幾何学とは何か?」各分野の前に読むと良い本。